私がパルスパワー技術研究所を設立するちょっと前の事だが、家族で京都の嵯峨野・嵐山に花見に出かけた。車は混むし、酒も飲めなくなるので、電車で行った。
嵐山の渡月橋を渡ったところで、弁当を食べたのち、嵯峨野を散策しながら、最後に小倉山二尊院を参拝した。
ここに、「心の糧七ヶ條」と書かれた色紙が置かれていた。
心の糧七ヶ條
一、 此の世の中で一番楽しく立派なことは生涯を貫く仕事をもつことである
一、 此の世の中で一番さみしいことは自分のする仕事のないことである
一、 此の世の中で一番尊いことは人の為に奉仕して決して恩に着せないことである
一、 此の世の中で一番みにくいことは他人の生活をうらやむことである
一、 此の世の中で一番みじめなことは教養のないことである
一、 此の世の中で一番恥であり悲しいことはうそをつくことである
一、 此の世の中で一番素晴らしいことは常に感謝の念を忘れず報恩の道を歩むことである
と書かれている。
前会社を退職した直後であり、最初の二つは身につまされる思いでしたが、これこそが、私が会社を立ち上げようとした理由でした。
生涯を貫く仕事をする。自分にとって、パルスパワーはまさに、自分の生涯をかけた仕事でした。パルスパワーそのものが、未だニッチな業界であり、関連する技術者方が活躍されていた会社を退職していく状況を度々目にする中で、この業界の先行きを非常に危うく感じました。
ニッチな技術とメジャーなマーケット。この両方に関わる会社は、一歩間違えば(本来これが正しい選択だと思うが)、メジャーなマーケットに走り、ニッチな技術は消滅してしまう。このニッチな技術を仕事として生涯を通じてやりぬくには、そういった仕事を会社方針として明確にした会社を立ち上げる他ないと思いました。
会社設立し今日で丁度5カ月が経過した。
七ヶ條の3項目の社会への貢献をし、4項目の人をうらやむことなく、5項目の研究開発を怠らずに、6項目の正直に真正面から、7項目の感謝の気持ちで生涯の仕事を貫きたいと心新たに思う今日この頃です。
この色紙は、今も私の事務所に飾られています。