昨年の事になるが、12月21日~23日まで、中国北京にある中国科学院
高能物理研究所(通称:高能研、IHEP)に行ってきました。
高エネルギー加速器研究機構(通称:高エネ研、KEK)の鈴木機構長からのご依頼を受けて第一回JAAWS2009
Joint Asian Accelerator Workshop:
Accelerator technologies and their applications
に参加するのが訪問の目的です。
本ワークショップの開催趣旨は下記の通りです。
今般、加速器科学は基礎科学における利用ばかりでなく、放射光・中性子による物質・生命研究、さらには医療・産業応用において著しい展開を果たしております。これまでのところ我が国は先端的な加速器技術により、世界の三極の一つとして大きな役割を担って参りました。しかしながら今後いっそうの飛躍を果たすためには、グローバルな戦略の中でアジア諸国との連携を諮ることが、最も重要な課題であることは言うまでもありません。
そこでこのたびアジア各国の加速器関連研究所(中国・高能研(IHEP)、インド・タタ基礎科学研究所(TIFR)、ラジャ・ラマンナ先端技術センター(RRCAT)、ロシア・ブドカー研究所(BINP)など)の所長と協議のうえ、加速器科学の今後の展開と応用のための開発研究についてアジアとして連携を図るためのワークショップを中国北京で開催することとなりました。そこでは以下のような5つのカテゴリーについて、各国を代表する加速器科学の専門家が一堂に集い、連携研究の可能性を探る予定となっております。
①先端的加速器技術の開発研究
②放射光など光・X線利用のための開発研究
③中性子などハドロンビームを利用するための開発研究
④医療・産業利用のための開発研究
⑤放射線測定器システムの開発研究
私は上記の④のワーキンググループのメンバーとして参加し、加速器の新しい産業応用の為のパルスパワー発生装置の最近の技術動向について発表してきました。
本ワークショップへの参加者は大部分が公的研究所の研究者で企業からの参加はほとんどなく、私を含めて二人でした。
このワークショップは今後継続して開催される予定となっており、次回、日本で開催される場合は、より多くの企業の参加が得られるものと期待されます。
独立起業後、間もない私にとって、国内外の加速器研究者と親交を深めることができたのは貴重な経験でした。本ワークショップに招待いただいたKEKの関係者に深く感謝申し上げます。
私の発表内容の一部抜粋を掲載します。