パルスパワー技術研究所で試作した実験試作機の第8号である超高繰り返し高電圧パルス電源を紹介します。
本装置は半導体スイッチであるMOS-FETを多数使用することにより、下記の高電圧パルスを安定に発生します。
出力電圧 ±6kVp
出力電流 ±60Ap
パルス波形 正弦波状
繰り返し 2MHz
この高電圧パルス電源ではMOS-FETの中でも取分け高電圧、大電流、高速の素子を使用することにより、2MHzという極めて高い周波数で且つ±6kVという非常に高い電圧パルスを発生します。又、360kWと非常に高いピーク出力を発生できます。高電圧、大電流、且つ高周波動作を安定に行うために、主回路基板及び制御基板はノイズの発生を抑え、又、ノイズに誤動作しづらい構造、構成にしています。
更に、負荷が異常動作をした場合には、異常を極めて高速に検出し、MOS-FETのゲートを停止し、緊急遮断します。異常発生からMOS-FET遮断までの時間が非常に高速になっており、頻繁に負荷異常が発生する場合にも安心して使用することができます。もちろん、ノイズ試験においても、誤動作、異常動作の起きないことを確認しています。
本超高繰り返し高電圧パルス電源は、回路内の浮遊インダクタンス、浮遊容量を極力小さくすることで余裕をもって2MHzのパルス発生を行っており、且つ、結果、高効率でコンパクトな設計になっています。今後、パルスレーザー電源、半導体プラズマ処理、表面改質などへの応用が期待される。
超高繰り返し高電圧パルス電源
2MHzで電流の立ち上がる状況
20μsバーストで連続発生している状況