以前紹介したMOS-FETマルクス回路を使用し高電圧チョッパー電源を試作した。
以前製作したものは、正極性パルスを発生する基板だったが、今回は負極性を発生する基板を開発し、この基板を4枚多段接続することにより、充電電圧の4倍の-10kVの高圧パルスを発生させた。
ゲート電源は主回路から供給し、トリガは光ファイバーでトリガするので、接地に対する浮遊容量が極めて小さく、高速で、立上げ、立下げが可能となった。
更に、本高電圧パルスチョッパー電源と高圧バイアス電源を組み合わせることで、正極性の高電圧直流電圧の一部を部分的に電圧を下げ、加速電極に高速パルス変調をかけることが可能である。
本高電圧チョッパー電源は高エネルギー加速器研究機構で開発中のインダクションシンクロトロンのイオンビーム入射部のイオンビームの単パルス切り出しに使用する予定をしている。
4段積み上げた負極性MOS-FETマルクス基板
MOS-FETマルクス回路の出力電圧波形(-10kV出力)
高圧直流電圧に重畳させた波形(+17kV→+8kVに高速変調)